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レオナルド・ダ・ヴィンチと「アンギアーリの戦い」展~日本初公開「タヴォラ・ドーリア」の謎~@京都文化博物館

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「フェルメールとレンブラント:17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち展」を見てから京都文化博物館で開催中の「レオナルド・ダ・ヴィンチと「アンギアーリの戦い」展~日本初公開「タヴォラ・ドーリア」の謎~」を見に行きました。

自分は全く知らない話だったのですが、フィレンツェのシニョリーア宮殿(現パラッツォ・ヴェッキオ)を舞台にレオナルドとミケランジェロが戦闘画において競演したエピソードを下敷きにその壁画や戦闘画などに関する展覧会でした。

これが前情報を知らずに行ったのですが、ルネッサンス時代好きな自分には大変興味深かったです。

フィレンツェのシニョリーア宮殿の壁にレオナルド・ダ・ヴィンチが「アンギアーリの戦い」を、ミケランジェロが「カッシナの戦い」をそれぞれ描くという豪華な競作が計画されたのですがいずれも未完に終わり、最終的に数十年後にヴァザーリが上から別の壁画を描き未完の両作共に失われてしまいます。

しかしヴァザーリの壁画で覆われるまでは、未完のままの作品を見ることが出来たようでそれを見た人の模写や模写の模写、それを題材にした作品などが残されたようでいくつもの作品が展示されていました。

ちなみに「アンギアーリの戦い」と「カッシナの戦い」の戦いというのはフィレンツェが勝利した戦いらしいです。

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サンティ・ディ・ティート「ニッコロ・マキアヴェッリの肖像」
まず時代の紹介がてら色々な人の肖像画がありました。ここで何が興奮したと言って、あのマキアヴェッリの肖像画に興奮してしまいました。

自分のイタリア史好きはほぼ塩野七生さんの影響と言っていいと思いますが、その塩野さんが好きなマキアヴェッリの見たことのある肖像画を目の前で見ることが出来驚きました。

その人柄が伝わってくる肖像画でした。

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クリストーファノ・デッラルティッシモ「ミケランジェロの肖像」
これも何かで見たことのある肖像画ですね。ミケランジェロ好きなのでほーっと思いました。

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クリストーファノ・デッラルティッシモ「チェーザレ・ボルジアの肖像」
イタリアの織田信長(?)チェーザレ・ボルジアの肖像もありました。

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タヴォラ・ドーリア(《アンギアーリの戦い》の軍旗争奪場面)
本展覧会の目玉です。作者不詳、未完のまま展示されていた壁画を見た人物の作品だそうです。壁画全体の一部の模写だそうですがフィレンツェ軍とミラノ軍の大将同士の戦いが戦争の象徴として躍動的に描かれています。

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アリストーティレ・ダ・サンガッロ(本名バスティアーノ・ダ・サンガッロ)
「カッシナの戦い」(ミケランジェロの下絵による模写)
川で水浴していたフィレンツェ軍が急襲を受けて戦闘に向かう場面。
ミケランジェロらしいと言うか、ただ筋肉を描きたかっただけじゃないか?なんて思ってしまいました。

全体としてテーマに沿ってよく考えられた展覧会で、わくわくしながら見ることが出来ました。

公式HP:http://www.fujibi.or.jp/anghiari.html



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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

フェルメールとレンブラント:17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち展@京都市美術館

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京都市美術館で開催中の「フェルメールとレンブラント:17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち展」に行きました。

また京都にフェルメール作品が来たので楽しみにしていました。

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「水差しを持つ女」
左の窓から差し込む光がフェルメールらしく感じました。

ぐるっと周りを見渡して思ったことは色合いがフェルメールの作品だけ違うと言うことでした。なんとなく他の作品はどれも赤茶色っぽく感じたのに対して、この作品だけ太陽光が差し込んで明るい色調でした。

カメラで言うところのホワイトバランスが一人だけ違うのかなと思いました。

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「ベローナ」
レンブラント作品です。戦争の女神ベローナを描いた作品で、メデューサの盾を持ちながら柔和な女神の肖像が印象的でした。

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「港町の近くにて」
コルネリス・クラースゾーン・ファン・ウィーリンゲン作。
帆船が精緻に描かれていて、フェルメールとレンブラント作品以外でもっとも印象に残りました。

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あいにくの雨でしたが、鳥居と紅葉がきれいでした。

公式HP:http://www.mbs.jp/sekaigekijo/


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北大路魯山人の美 和食の天才@京都国立近代美術館

「ルーヴル美術館展」を見た余勢を駆って向かいの京都国立近代美術館で開催していた「北大路魯山人の美 和食の天才」と言う展覧会にも行ってしまいました。

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書や篆刻、料理、そして陶芸と多ジャンルにわたり活躍し「美食倶楽部」を設立、現在ある日本料理の器にもその影響を残す凄い人物だったそうです。

個人的には俎板皿(まないたざら)が北王子魯山人が始めたというのに驚きました。

北大路魯山人と言えばマンガ「美味しんぼ」でたびたび名前が出てくるので凄い人という印象があるものの、詳しくはよく知らない人物でした。それが今回たまたま展覧会を見ることが出来よかったです。

公式HP:http://www.momak.go.jp/Japanese/exhibitionArchive/2015/408.html



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ルーヴル美術館展 日常を描く―風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄@京都市美術館

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京都岡崎の京都市美術館で開催中の「ルーヴル美術館展 日常を描く―風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄」に行きました。目玉は初来日のフェルメールの「天文学者」。フェルメール作品が関西に来ると必ず見に行ってる気がします。

今回の展覧会のテーマは風俗画とそこに至る絵画の歴史。古くは古代ギリシャ、エジプト時代の作品から始まります。

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やはり「天文学者」は良かったです。外からの光が差し込む天球儀とその下のテーブルの上あたりはピントがあって精緻に描かれています。人物である学者は天球儀を触れる手の部分はハッキリしていて、逆に顔の部分はややぼやけた雰囲気でした。

うーん、やはりフェルメールは良いですね。

10月24日からは同じ京都市美術館で「フェルメールとレンブラント:17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち展」が開催されフェルメールの「水差しを持つ女」が来日するそうです。

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次いで印象に残ったのはティツィアーノの「鏡の前の女」。写真の右の絵です。好きな作家の塩野七生さんの影響でティツィアーノの描く肖像画は素晴らしいと刷り込まれているせいもあるかもしれませんが、その人物の意志があらわれているようだと思いました。

公式HP:http://www.ntv.co.jp/louvre2015/



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北欧スウェーデンの動物のやきもの リサ・ラーソン展@滋賀県立陶芸の森 陶芸館

滋賀県立陶芸の森で開催中の「北欧スウェーデンの動物のやきもの リサ・ラーソン展」に行って来ました。滋賀県の信楽にありますが信楽には初めて行きました。

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広い敷地にいくつかの施設があります。広々とした芝生の広場、滋賀はまだ桜も咲いていました。子供達は走り回って喜んでいました。

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美術館らしいオブジェも。陶芸の森以外は入場無料で公園のようでした。

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正面の高い階段を登ります。男女別に消費カロリーが書いてあるというちょっとした工夫が楽しかったです。

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階段を上って見下ろすと良い風景でした。

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更にちょっと登ったところが展覧会が開かれている陶芸館。館内は撮影禁止でした。

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リサ・ラーソンさんと言えば動物モチーフの可愛いキャラクターで有名な陶芸家さんです。うちにもカレンダーを掛けていたりします。もう80歳を超えている方ですが、動物、乗り物、外国にインスパイヤされた作品など色々展示されていて楽しかったです。

会場の最後に5分間ほどの映像が流れていました。サマーハウスで制作中にリサさんが失敗作として捨てた作品を旦那さんが石垣に埋め込んだと言う話が流れていたのですが、妙に印象に残りました。

公式HP:http://lisalarson.jp/lisaten/



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プロフィール

門田 匡史

Author:門田 匡史
奈良県生駒市の生駒吉岡皮膚科医院の院長をしています。趣味の話など書いております。

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