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「君の名は。 Another Side:Earthbound」を読みました。

映画「君の名は。」、実は3回も観てしまいました。

と言うわけで本も読もうと言うことで「君の名は。 Another Side:Earthbound」を読みました。

普段と違う三葉を疑問に思った周りの人たちも彼女のことを考え出して―。

と言うことで三葉の周りの人物からみた話が書かれてあります。

一番印象に残ったのは三葉の父、宮水俊樹の話です。三葉の母二葉との出会いと別れ、その後政治家となり映画での場面につながります。映画で描かれていなかった俊樹の決断の理由が分かりました。


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テーマ : ライトノベル
ジャンル : 小説・文学

「獣の奏者@上橋菜穂子」を読みました。

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上橋菜穂子氏の「守り人」シリーズに並ぶ代表作「獣の奏者」を読みました。1-4巻と外伝で構成されています。

リョザ神王国と言う国を舞台に闘蛇と王獣と言う生き物を軸にしながら女性主人公エリンの生涯が描かれます。

闘蛇はナーガ、王獣はグリフォンを勝手に思い浮かべながら読みました。

闘蛇の医師を母に持つエリンが王獣に惹かれ心を通わし、禁忌をおかして王獣を操れるようになり、国内外の政治に巻き込まれていく…と言うような内容です。

「守り人」シリーズのジグロや本作のエリン、イアルの生き方が印象に残りました。例え茨の道が待っていようが、結末がはたからみて良くないものであろうが自分の決断に後悔しないと言う点です。

そこが潔く感じました。



テーマ : ファンタジー小説
ジャンル : 小説・文学

「ギリシア人の物語Ⅰ 民主政のはじまり@塩野七生」を読みました

塩野七生氏の「ギリシア人の物語I 民主政のはじまり」を読みました。

「ローマ人の物語」の古代ローマをさかのぼり、民主政の創始者古代ギリシャ、特にアテネの物語です。

まずアテネと対比的にスパルタのシステムが記されます

現代に至るまでスパルタ教育てしてその名を残すスパルタですが、現代のスパルタ教育も真っ青なスパルタ式です。成人儀礼の最後にヘロットと言う被征服民を殺してその首を持って来る、と言う非人道的っぷり。

本巻のメインは都市国家アテネの政体の変遷とその時の中心人物、そしてアケメネス朝ペルシア帝国相手のペルシア戦役です。

人物を一人あげるならなんと言ってもテミストクレス。目的のためなら手段を選ばない人物でその視野の広さと先見の明で権力の座に着きます。ペルシア帝国の進行を見越して海軍強化を行います。

ペルシア帝国が攻めてきた際にはアテネ全住民を強制疎開させるという荒業に出てサラミスにうつります。そこで攻めてきたペルシア帝国の海軍相手にサラミスの海戦で大勝利を収めます。

陶片追放で追放した対立派閥のリーダーを復帰させて一軍を率いさせたり、その後のアテネ防衛、繁栄に資する事業を行ったり、エーゲ海からペルシア帝国を一掃する戦略を立案したりと良くもまあこんな凄い人物がいたのだなあと思いました。

全3巻らしいので2巻も楽しみです。


テーマ : 歴史小説
ジャンル : 小説・文学

「守り人シリーズ@上橋菜穂子」を読みました。

「鹿の王」の上橋菜穂子氏の守り人シリーズ全10巻を去年の12月からぼちぼち読んでいき全巻読み終わりました。

『精霊の守り人』
『闇の守り人』
『夢の守り人』
『虚空の旅人』
『神の守り人 <上> 来訪編』
『神の守り人 <下> 帰還編』
『蒼路の旅人』
『天と地の守り人 <第1部> ロタ王国編』
『天と地の守り人 <第2部> カンバル王国編』
『天と地の守り人 <第3部> 新ヨゴ皇国編』

の10巻です。

ファンタジー小説で北の大陸の新ヨゴ皇国のチャグムとカンバル王国出身の女用心棒バルサの2人の主人公を軸に物語が進んでいき、最終的に南の大陸の大国、タルシュ帝国との対決3部作で幕を閉じました。

どこかアジアを思わせる世界観が確立されていていて素晴らしいファンタジー小説だなあと思いました。登場人物がそこにいるかのような肉付きを持っていてぐいぐい読ませます。

最終巻を読んでいく中では読み終わるのが惜しくなってしまいました。

中でも『闇の守り人』が個人的に一番印象に残りました。作者自身あとがきで大人に人気と書いていましたが、過去と向き合う言うテーマがじーんときました。



テーマ : ファンタジー小説
ジャンル : 小説・文学

「イスラームから見た『世界史』@タミム・アンサーリー」を読みました。

イスラームから見た「世界史」と言う本を読みました。

作者のタミム・アンサーリーと言う人はアフガニスタン出身でアメリカ在住の作家だそうです。アフガニスタンの首都カーブル(カブールと日本では耳にしますが、カーブルが正しいそうです。以後地名は本書での訳の通りに記載します。)近くの町で育ち、奨学金を得てアメリカの高校に進学、大学も出て教科書執筆に携わるようになったそうです。

元々この本を読んだきっかけは池上彰・佐藤優両氏の
「大世界史 現代を生きぬく最強の教科書」
の中に記載があり興味を持ったことでした。

イスラムは今日世界の大きなテーマですが、日本人には関わりが薄く一言で言えばよく分からないと言うのが正直なところなので、何か概説みたいなものを読みたいと思っていたところにぴったりはまりそうだなと読んでみました。宗教ではなく歴史の本なので読んでみようと思ったのでしょう。

これが700ページ近くになる分厚い本で、読み始めた当初は読み切れるか心配でしたが、段々引き込まれていきました。

まずインダス川からイスタンブルに及ぶ地域全体を「ミドルワールド」と名付け古代のメソポタミア文明から話が始まります。ゾロアスター教、キリスト教、ササン朝ペルシア、ビザンツ帝国を経て預言者ムハンマドの誕生に至ります。

このムハンマドから第4代までの正統カリフの時代に大きな紙数が割り当てられています。そしてこの時代の話こそが現代を理解する上でも重要だと思います。

その後「・・・朝」と言ういくつかの王朝の時代が続き十字軍、モンゴルの襲来、西欧諸国の進出、近代、現代に至ります。

世界史というと日本、中国、西洋から見た世界史が日本人が思い浮かべるものだと思いますが、イスラムから見た世界史と言うことでいろんな点でなるほどと思うところがありました。自分の知る世界史のすっぽりを抜けている部分でした。

イスラムとは宗教であると同時に創始された当初から政治的な存在であるということにそうだったのか、と思いました。第2章「ヒジュラ」(マッカからマディーナへの移住)の中でヒジュラ以前のムハンマドはここの信者を導く説教師にすぎなかったのがヒジュラ以後は法律、政策、社会生活の指針などについて彼の裁定を仰ぐ共同体の指導者となったとありました。

現在イスラム諸国においては政教一致の国も多く日本人から見れば違和感を感じますが、そもそもイスラムそのものが単なる宗教であるだけではなく、「政治・経済の運営方法を規定する理念であり市民法と刑法の体系であり、中国文明・西洋文明などと同じく芸術、哲学、建築、手工芸品に至るまで人間の文化的な営みを内包しているから文明であり、一つの世界史の物語でもある」、と言う作者あとがきがイスラムとは何かを語っているように思います。

仏教、キリスト教などと並べてイスラムを一つの宗教と思うから違和感があるのであって、政治、法律など広い分野を含むのがそもそもイスラムなのだ言うのが本書で初めて理解できました。

本書を読み現在の中東の混乱に至る歴史が理解できたような気がしました。イギリスを初めとする植民地を抱えていた時代の西欧諸国のえげつなさ、第1,2次世界大戦前後のイギリスや冷戦時の米ソ、現代に至るアメリカの行動の影響の大きさを感じました。

日本人としては明治日本が列強の植民地にならず近代化をなしたことに明治日本人は凄いなと思ったりもしました。

わずか1冊ですがイスラムを理解する大きな1冊でした。分厚いですが、読みやすく書かれてあってイスラムとは何かが気になる人には非常におすすめです。



テーマ : 最近読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

プロフィール

門田 匡史

Author:門田 匡史
奈良県生駒市の生駒吉岡皮膚科医院の院長をしています。趣味の話など書いております。

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