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「十字軍物語2@塩野七生」を読みました

塩野七生さんの「十字軍物語2」を読みました。1巻ではヨーロッパからの第1次十字軍がイェルサレム王国などの十字軍国家を建国するまでが書かれていました。2巻の本作ではイスラム世界の逆襲が中心になります。



重装騎兵の威力、封建領主の群雄割拠でまとまりのないイスラム世界、十字軍の優秀な諸侯の能力などにより第1次十字軍はイェルサレムを解放しイェルサレム王国をはじめとする十字軍国家を建国するに至ります。

しかしこの十字軍の中心メンバーも次々の世を去り、イェルサレム王国の国王が徐々に小粒な人物になっていきます。それに対しイスラム側ではヌラディンという人物がイラクとシリアを統一し、さらにサラディンがこれにエジプトを併せて強大な国家を築くに至ります。

そして最後にはイェルサレムはサラディンによって再度解放されるに至ります。

歴史にはでるべき時に優れた人物がでるものだなと思います。サラディンはやはり優れた指導者だなと思いますし、十字軍がイェルサレムを征服した時にイスラム教徒を虐殺しましたが、サラディンは逆のことを行わなかったり、敵方の優秀な人物を認めたりするなど器量も大きい人物ですね。

十字軍側では全体にだめな人物が増える中で、病と闘い24歳で早死にすることになるものの600騎足らずで1万を超えるサラディン軍に勝利したボードワン4世、イェルサレムがサラディンに征服される際の十字軍側の指導者で、民衆の命を守りながらイェルサレムを明け渡すバリアーノ・イベリンなどは感銘を受けました。

どの時代、どの地域の歴史を見てもそれなりに優れた政治家というものは存在します。今の21世紀の日本を何百年かあとに歴史としてみた時に果たして誰か名前を残す人がいるものかなあ、と余計なことを考えてしまいました。

次回第3巻ではいよいよリチャード獅子心王が登場予定です。刊行を楽しみにしています。


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テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

プロフィール

門田 匡史

Author:門田 匡史
奈良県生駒市の生駒吉岡皮膚科医院の院長をしています。趣味の話など書いております。

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