陰陽師 天鼓ノ巻＠夢枕獏を読みました。

三国志の合間に予約していた本が届いたので読みました。夢枕獏さんの本ですが、数年前に映画化などで話題になった陰陽師の最新巻です。




夢枕獏さんはもしかしたらものの考え方に一番影響を受けているかも知れない作家です。伝奇ＳＦ、格闘技等から始まって趣味である登山、釣りにいたるまで色々なジャンルの本を書いておられますが、「世の中にある物は全てあるがままで正しい」と言う内容が結構出てくるのですが、この考えが非常に好きです。

寛容と言うことも含まれると思いますが、それを超えて「よしとする」という考え方が前向きで性にあっています。テレビ出演も時々見るのですが、仕事も一生懸命にやり趣味も楽しそうでいつ見ても幸せそうで憧れます。

さてこの陰陽師、夢枕獏さんの著作の中でもしかしたらもっとも一般受けするシリーズかも知れません。陰陽師安倍晴明と笛の名手源博雅が中心になって短編が織りなされ時に長編もあるシリーズです。今回は短編集なのですが、どこか人の哀しさを感じる物語が多いです。特に蝉丸法師の妻が死霊？になって蝉丸法師に取り憑いているという話が印象的でした。

陰陽師シリーズで良く出てくるのが「呪（しゅ）」と言う言葉です。現代では呪文、のろいなどと使う言葉ですが決してそれだけではなく言葉に人の意志が乗ることによって意味を持つ、と言うような感じでこれもおもしろいなあと思います。