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「武士の家計簿@磯田道史」を読みました

映画化もされた「武士の家計簿」と言う本を読みました。



著者の磯田道史氏は茨城大学人文学部准教授で専門は日本近世史・日本社会経済史だそうです。NHKの「さかのぼり日本史」という番組で戦国時代の解説者として登場したり、「シリーズ未来をつくる君たちへ ~司馬遼太郎作品からのメッセージ~」という番組で大村益次郎の合理主義を語ったりと言うのをまず見て、名前を聞いたことがあるこの本の作者だと知って借りてみました。

加賀藩の経理係を勤めた猪山家と言う一家の江戸末期から明治初めまでの36年分の家計簿を古本屋で見つけたところから始まります。

家柄重視の武家社会の中で算術の実力勝負で出世ができる会計の分野を狙って猪山家は代々加賀藩に勤めます。そして明治維新に際してはその能力が認められて加賀藩の京都での軍隊の兵站を担ったり、新政府に引き抜かれて大村益次郎の配下として重要な働きをしたり、その後は海軍官僚として出世したり。

江戸時代の下級武士の生活が家計簿と主に語られるわけですが、武士は出費が多かったんだなあと思います。冠婚葬祭・交際費、人件費など武士であるがために削れない費用、これを身分費用と著者は呼んでいますが、これが莫大で収入に対して多すぎるがために生活が苦しく借金がかさんでいたようです。

1700万円も収入があったのに320万円も交際費としてかかったり、当主の小遣いが月6000円しかなかったり、家来の草履取りの方が懐具合が良かったり。武士も大変だったんですね。

また江戸時代は封建制と思っていましたが、実際にはほとんどの武士は領地は持っていても実際に赴任するわけではなく藩の蔵から給料として米をもらっているだけで実際に領地は支配しているわけではなかったようで、西洋の封建制とは全く違った物だったそうです。だから明治維新によって武士の領主権があっさり取り上げられても問題は起きず、逆に実際に領主が土地を支配していた鹿児島では西南戦争がおこった、なんてのもおもしろかったです。

何の気なしに借りてみましたが、ぐいぐいと引き込まれて読んでしまいました。


テーマ : 最近読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

プロフィール

門田 匡史

Author:門田 匡史
奈良県生駒市の生駒吉岡皮膚科医院の院長をしています。趣味の話など書いております。

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