「十字軍物語3@塩野七生」を読みました。
塩野七生さんの「十字軍物語3」を読みました。これで完結となります。

本巻のメインはなんと言っても第三次十字軍のリチャード獅子心王とサラディンとの対決です。サラディンの攻勢に押されていた聖地のカトリック勢力でしたが、それをリチャード獅子心王がリーダーとなって押し返し領地を増やしていきます。リチャード、サラディンともに狂信的な人物ではなく現実的で有能な人物であったところから見応えのある対決になりました。
しかしこのリチャード獅子心王と言う人物は体格もよく統率力もあり戦闘上手とまさに英雄と呼ぶにふさわしい人物。しかし残念ながらイェルサレム奪還まであと少しと迫りながら退却を余儀なくされます。原因はフランス王に自領を攻められたため。この時のフランス王フィリップ2世は自分も同じ十字軍に遠征していながら途中で帰還して自領の拡大をもくろむという腹黒な人物、政治はいつの時代も難しいもんですね。
リチャードは自国に帰る途中でオーストリアで捕らえられますが、その後帰国して奪われた領土を取り返したりと活躍します。しかしある戦闘中に弓で射られてその後亡くなります。今もイギリスでは人気があるそうですが、それもわかるという物です。
第四次十字軍はヴェネチアの陰謀?により同じキリスト教のビザンツ帝国の首都コンスタンティノープルを陥落させたり、第五次十字軍はフランス王中心で大失敗と迷走しますが、第六次十字軍はなかなかおもしろかったです。
神聖ローマ帝国皇帝フリードリッヒ2世が中心となって遠征されたものですが、このフリードリッヒ2世と言うのはキリスト教とイスラム教が融合していたシチリア島で生まれ育ちアラビア語を話すことができ、学識深く合理的思想を持つという人物。当時のスルタンのアル・カミール(サラディンの甥)と講和によってイェルサレムを奪還して今の目から見たら良いんじゃないかと思うのですが、当時は戦闘によるものではなく講和で奪還したことが評判が悪かったり、法王庁から破門されたり、カノッサの屈辱の時の皇帝のようにあまり困った様子じゃなかったのもいいですね。
その後信仰心深いフランス王中心の十字軍が失敗続きで、イスラム側がアイユーブ朝からマムルーク朝に変わったことなどもあり十字軍勢力が駆逐されて終わります。
信仰心の深いフランス王の遠征が失敗し、イスラム側から無神論者とまで書かれたフリードリッヒ2世の方が成功したというのは皮肉だなと思いました。
とこれで完結したわけですが、久々に本を読んでいて面白すぎてびっくりしました。やはり塩野七生さんはいいですね。
本巻のメインはなんと言っても第三次十字軍のリチャード獅子心王とサラディンとの対決です。サラディンの攻勢に押されていた聖地のカトリック勢力でしたが、それをリチャード獅子心王がリーダーとなって押し返し領地を増やしていきます。リチャード、サラディンともに狂信的な人物ではなく現実的で有能な人物であったところから見応えのある対決になりました。
しかしこのリチャード獅子心王と言う人物は体格もよく統率力もあり戦闘上手とまさに英雄と呼ぶにふさわしい人物。しかし残念ながらイェルサレム奪還まであと少しと迫りながら退却を余儀なくされます。原因はフランス王に自領を攻められたため。この時のフランス王フィリップ2世は自分も同じ十字軍に遠征していながら途中で帰還して自領の拡大をもくろむという腹黒な人物、政治はいつの時代も難しいもんですね。
リチャードは自国に帰る途中でオーストリアで捕らえられますが、その後帰国して奪われた領土を取り返したりと活躍します。しかしある戦闘中に弓で射られてその後亡くなります。今もイギリスでは人気があるそうですが、それもわかるという物です。
第四次十字軍はヴェネチアの陰謀?により同じキリスト教のビザンツ帝国の首都コンスタンティノープルを陥落させたり、第五次十字軍はフランス王中心で大失敗と迷走しますが、第六次十字軍はなかなかおもしろかったです。
神聖ローマ帝国皇帝フリードリッヒ2世が中心となって遠征されたものですが、このフリードリッヒ2世と言うのはキリスト教とイスラム教が融合していたシチリア島で生まれ育ちアラビア語を話すことができ、学識深く合理的思想を持つという人物。当時のスルタンのアル・カミール(サラディンの甥)と講和によってイェルサレムを奪還して今の目から見たら良いんじゃないかと思うのですが、当時は戦闘によるものではなく講和で奪還したことが評判が悪かったり、法王庁から破門されたり、カノッサの屈辱の時の皇帝のようにあまり困った様子じゃなかったのもいいですね。
その後信仰心深いフランス王中心の十字軍が失敗続きで、イスラム側がアイユーブ朝からマムルーク朝に変わったことなどもあり十字軍勢力が駆逐されて終わります。
信仰心の深いフランス王の遠征が失敗し、イスラム側から無神論者とまで書かれたフリードリッヒ2世の方が成功したというのは皮肉だなと思いました。
とこれで完結したわけですが、久々に本を読んでいて面白すぎてびっくりしました。やはり塩野七生さんはいいですね。